時事随筆

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そろそろ、ゲイに言っておくか

異性愛者に告白をするときは、所属するコミュニティ内でカミングアウトをしてからにしてくれ!


togetter.com
で、片桐氏が仰っている事そのものなのですが、同性愛者に異性愛者が告白された場合、その人が真面目で律儀であるほど追い込まれてしまう事を、知っておくべきではないかと思いますよ。

以下は仮りにこんな事があればって話です。
(注:追記 一橋アウティングとは無縁です。)


大学の部活動に所属する二人の男の間で、同性愛者(名前をヒデオとする)が、恋人(名前をハルカとする)の居る異性愛者(名前をヒロとする)に告白する事がありました。

恋人がいたヒロは「男に対して恋愛感情は持てないし、彼女がいるから」として断り、ヒデオも納得したのだけど、その際に「自分がゲイである事は誰にも言わないでくれ」と強く強調もしました。

ヒロも気持ちは分かるので、
「恋愛感情は持てないけれど、今後も部の仲間としては接する。部には出て来いよ」
と言うようなことを答えました。
しかし、常識的に考えると、ヒロの気持ちは自分との距離はこれで相応に取ってくれるもの、不要に近づこうとはしてこないだろう、という期待があった訳です。


しかし、それ以降も、ヒデオが練習の終わりにヒロを含むメンバーを積極的に食事に誘ったり、折に触れてはスキンシップをしようとしてくる事に、ヒロは困惑しまくります。正直、ストレスでもあります。でも、誰かに相談をすれば「黙っていてくれ」と言う約束を反故にしてしまうし、「正直に言うと気持ち悪くてたまらない」という自分の汚い真情も吐露しなくてはならなくなる。その為、ヒロは黙って距離をあけようとするするしかなかったんですね。


その距離をとる行為は、周囲には「なんかあった」と悟られるには十分な理由になります。次第に「悩みでもあるのか?」と聞かれることが増えて来た事も、ヒロにとっては悩みの種になる。悩みなら吐き捨てたいほどにある、しかし、誰にも言えない。


堪忍袋の緒がキレたヒロは、ヒデオを呼び出して、
「ゲイの立場の弱さを理由に、誰にも相談できなくして、毎日のように積極的に絡んで来ようとするのはやめろ」
「それを迷惑と思っても、気持ち悪いと感じても、「誰にも言わない」という約束があるから、ハルカにすら相談すら出来ない」
「毎日が地獄だ」
「お前のやってることは暴力だ。」
「これ以上、状況が続くなら、お前がホモだって事を含めて、部の連中に相談するか、辞めるしかない」
「部にカミングアウトする覚悟もなしに、人に告白してんじゃねぇ」
こんな風に激怒したんですね。


結果、二度と体に触れようとはしない、個人的な連絡はしない、などを約束して事なきを得たのですが、一歩間違えば、一橋アウティングと同じ状況になっていたかもしれないでしょう。

以上、仮の話終わり。


友人に自分がゲイである事をカミングアウトして相談する場合と、異性愛者の知人・友人に同性愛者として告白して恋愛対象=性欲対象であることを宣言する場合とでは、「誰にも言わないで欲しい」の意味が異なるのではないでしょうか。誰にも相談できない状況に追い込んだうえで、体に触れてくる、これは控えめに言ってもセクハラですよ。男が権力を笠に着て、女性の体を触ればレイプとすら言われてしまうでしょう。


性的少数者であることは特別な事ではない、と言いつつ、マイノリティの弱さを武器にしてくるのは止めるべきでしょう。自殺した学生さんには酷な事を言うようだけれど、仲間内で自分がゲイである事を告白する勇気をもてなかったのならば、異性愛者に告白すべきではなかったと思いますね。

友人が同性愛者かも?可能性があるかも?って思うなら、まず自分がカミングアウトしてからにしてほしい。好きになった相手の立場に立てない思いは、男女の別なく迷惑でしかないでしょう。

追記

id:hogefugapiyox 途中「仮の話」とあるけど、BF(https://www.buzzfeed.com/kazukiwatanabe/hitotsubashi-outing-this-is-how-it-happened?utm_term=.xjpenN0a1#.mwL7kaovX)によると告白後もスキンシップはあったとのこと。何が事実で何が創作なのかはっきりさせてほしい

こんな事を言う人が出るとは思ってなかったので衝撃なんですが、「仮の話」は一橋アウティングとは、登場人物も場所も時系列も何も関係がないお話です。