日米首脳会談のポイント : 採点するとしたら80点?
概ね滑り出しとしては良さそうな印象。
安保面では
「われわれは日本の施政権下にあるすべての地域の安全に関与し、極めて重要な同盟をさらに強化していく」
尖閣諸島が条約の適用範囲に含まれることを再三にわたって確認したことがいいですね。
更には、大統領選で駐留費負担について日本を批判していた大統領に
「われわれの軍を受け入れてくれていることについて日本の人々に感謝したい」
と十分な負担をしていることを理解したコメントを言わせたことも大きなポイントです。2016年度で7600億円です。
防衛相、在日米軍駐留費「日本は十分負担」 :日本経済新聞
各国との比較の数字は米軍が算出した04年が最後らしいですが、日本の負担率は各国と比べても格段に多い訳です。
米軍駐留経費、日本の負担率は? 日米の説明に食い違い:朝日新聞デジタル
これを理解した上での上記のコメントだと思いますから、大統領選中に日本の駐留費負担の増額を求めた大統領に理解をして貰えて良かったと、ホッとしたのではないでしょうか。安保関係では、再確認を含めて無難な成果を得たと言えそうです。
経済面でも安倍首相は、特に譲りすぎている印象を与えていませんね。
「アジア太平洋地域に、自由かつルールに基づいた公正なマーケットを、日米両国のリーダーシップの下で作り上げていく。その強い意思を、今回、私と大統領は確認した」
TPP脱退を決めたトランプ大統領ですが、TPPが必要であることを改めて訴えられて、その必要性に理解を示した様に受け取れます。
われわれがアジア太平洋地域に自由でフェアなルールを作って、それを日米がリードしていくのがいちばん重要なポイントで、この重要性は変わっていないだろう
TPP脱退取りやめがあるのか?という含みを感じる位ですが、そうでなくとも日米主導でTPPに近いものをやるということであればいう事はないでしょう。
気になる所としては、事前に言われていた「米国の雇用を生み出す」の詳細ですかね。
自動車産業をはじめ多くの日本企業がアメリカ国内の雇用を創出していると強調したうえで、「日本は高い技術力で大統領の成長戦略に貢献し、米国に新しい雇用を生み出すことができる。(~略)
日本車の現地生産台数は年々伸びていて(http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/bunseki/pdf/h18/h4a0609j5.pdf)、多くの雇用を生み出している事がきちんと伝わって理解を得ることで、アメリカの執拗なトヨタ叩き、ひいては日本叩きに歯止めがかかるのか?という所は、今後の気になるポイントです。
米国での雇用を生み出すために、GPIFが投資するなどきな臭い事がなければいいんですが、米国に高速鉄道を作るという話を進める時に日本企業の技術が活かされ、間接的に雇用創出に協力する。更に、市場が動くことで日本も稼ぐなど利益を得る、と言う話になるのであれば文句はない所です。これはいい話だと思いますね。
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経済関係について、重要なポイントとして、TPP脱退を押しとどめたい首相の意は叶わないにしても、トランプ大統領との間で日米の協力でアジアにマーケットを作らなければ、中国を利するだけになるという事を確認した事は高評価でしょう。
「それぞれの国々が行っている入国管理、難民政策、移民政策は、内政問題なのでコメントは控えたい」
このコメントについては、国内外の左派から難癖がつくでしょうけど、気にする必要はないですね。国益を犠牲にしてトランプ大統領を怒らせる価値はありません。
日本としては
「世界において、難民の問題、テロの問題に協力して取り組まなければならない。日本は、世界と協力し、日本の果たすべき役割や責任を果たしていきたい」
が強調できていればいいでしょう。実際、金銭的な負担ならば日本は十分に主導的な役割を果たしています。
岸首相は、アイゼンハワー大統領とゴルフを通じていい関係を築き、二人の信頼関係が日米間にいい影響を与えた事は有名な話です。
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安倍-トランプ関係も、それに倣いたいというクラブのプレゼントに込めたメッセージがトランプ大統領にしっかりと使わっている様で、この政権の外交の上手さには高い評価を付けざるを得ないでしょう。トラストミーなんかは比較の対象にならないですし、これでまた支持率は上がる事でしょう。
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それにしても、蓮舫のこの反応ww
自分たちが仮に政権を獲った時に、トランプ大統領との関係を破壊して国益を損ないますって宣言ですか?とてもじゃないが支持できないですよ。